岩室恵子(Keiko Iwamuro)の作品紹介

悪夢探偵

Posted by on 1月 1, 2009 in Column


1ヶ月前、近所の橋の上で塚本晋也監督に会った。橋の上でイエス・キリストに会ったと言い出したら危ない人なので注意してくだされ(笑)

で、監督は何かの撮影のようで少ないスタッフと特殊メイクの俳優を連れていた。友人に塚本監督の大ファンがいるので速攻メールで知らせた。「塚本監督めっさカッコいいよう!」とね。

 ちょうど、その時は夢に関する本を読んでいたので、そういえば監督は最近「悪夢探偵」なる映画を撮っているなぁと思いその後の用事を済ませてレンタルビ デオ屋さんで「悪夢探偵」借りて家路に向かった。橋に上がるエレベーター前で撮影終わったかなぁもう一目くらい監督の顔を見たいわと思ったら降りてきたエ レベーターに乗っていらした。「監督!悪夢探偵借りてきましたこれからみまぁす」と言える分けない小心な私はすれ違う監督を憧れの眼差しで見つめ微笑むの がせいぜいだった。本当に素敵だったのよスエット姿だったけど。

 そして「悪夢探偵」凄かった!深かったテーマが丁度、夢の本を読んでいたのでそれにもリンクしてより一層心に響いて考えさせられた。

 そしてこれまた先日のクリスマスの日その「悪夢探偵」の続編が公開されているのでどうしても見に行きたくなり昼過ぎの回に衝動的に足を運んでしまった。

 主人公の京一は人の心がダイレクトに読めてしまう能力を持っている。故に厭世的なぜなら人の心は決して彼にとって美しいものではないから。京一の母親も同じ能力を持っていて、世の中全てを恐れて自らの命を絶つのである 。小さい頃の京一に「お母さん世の中は怖いのばかりなの?」聞かれ、自分と同じ運命を持つ事を不憫に感じ た母親は彼をお風呂の水に沈めようとするのだった。

 そんな彼が母親と同じ怖れを抱えて心の闇に迷い込んでしまった少女を救うべく夢の中にはいりこみ、深い深い闇の中で佇む小さい頃の少女を「こんな世の 中、戻っても仕方ないし、僕には何もしてあげれないからここにずっと一緒に居てあげる」と抱きしめる姿に涙が止まらなかった。

 なんかこの映画が更に深いレベルで分離と統合について考える機会を与えてくれたような気がしてならなかった。

 明るくなった映画館で涙を拭きながら帰り支度をしていると、後ろの席の家族連れの中にどこかで見たことのある小さな男の子がいた、今しがたスクリーンの 中で「お母さん世界は怖いのばかりなの?」と天才的な演技を披露していた少年だった!思わず「映画に出てた子?!すごく良かったよ感動して泣いちゃった」 と言うと照れくさそうに「ありがとう」と言ってくれた。

 なんだか不思議なクリスマスプレゼントのようなハプニングだった。

 ありがとう塚本監督あなたは天才です!今度橋の上であったら絶対に握手してください!

 

このエントリーをはてなブックマークに追加

にほんブログ村 美術ブログへ
にほんブログ村

Leave a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です